Part1~Part10

ハーブ解説 再投稿版Part5

今回改めて紹介するハーブは、スパイシーな香りで料理に大活躍なマジョラム、その見た目から中世の時代はあらゆる目の症状にいいとされ、現代科学の力で効果が明らかになってきたアイブライト、馬の餌としても優秀なホースチェスナットことセイヨウトチノキの3種類です。

Organum majorana

読み方:オルガナム・マヨラナ

20cm~50cmまで成長する多年草で、卵型の葉にビロード状の毛が生えています。オレガノよりも優しい香りで、バラやラベンダー、ローズマリーに次いで貴ばれてきたハーブです。

初夏に小さな花を咲かせ、花の先端がロープの結び目に見えることからノットマジョラムとも呼ばれます。Organumは「山の喜び」という古代ギリシャ語を表し、majoranaは大きいという意味です。

各種利用法

料理

香りが強いので、肉の臭み消し、魚料理、豆料理など多岐に渡り、ドイツではソーセージを作るのに欠かせないハーブになっています。

健康

  • ストレスによる肩こり、腰痛、頭痛などの身体に現れる症状から、不安や怒り、悲しみなどの精神的な症状に効果が期待できます。
  • 精油には保温作用と鎮静作用があるため、強張りを優しく包み、滞りをスムーズにさせてくれる作用が期待できます。

栽培

  • 日当たりと排水性の良い、湿気のある場所を好みます。
  • 繁殖は挿し木、株分けで増やします。料理用で使う場合は花のついた茎を摘み取り、葉っぱを増やしましょう。
霜に弱いので、秋になったら霜から守るか、ポットで育て、冬の間は屋内で管理しましょう。

歴史

古代エジプト

ミイラづくりの香料の一つでした。

古代ギリシア

・薬用、料理で使われていたほか、強壮剤や解毒剤としても利用されていました。
・新郎新婦の幸運と長寿を願い、冠に編み込み習わしがあった一方、遺族を慰め、死者が安らかに眠れるように植えられることもありました。

ギリシア神話
愛の女神アフロディーテにより誕生したとされ、名誉と愛、多産のシンボルになりました。
中世ヨーロッパ

修道院では育てたマジョラムを性欲抑制や精神的な治療に用いたほか、ホップが伝えられるまで香味付や防腐剤としても使われ、体内から毒を排出する働きがあると信じられていました。

ジョン・ジェラード

中世イギリスのハーバリストで、ワインにマジョラムを入れて飲めば有毒動物の毒やアヘン、ドクニンジンの解毒剤にもなると記録に残しています。

Euphirisa offichinalis

読み方:エウフィリサ・オフィキナリス 英:アイブライト

変異性に富んでいる一年草の一種です。直立性の茎と1cmの丸い鋸歯のある葉をつけます。夏には黄色い花喉と3つの浅い切れ込みの入った唇弁を持つ、紫色の筋が入る小さな白い花が咲きます。

世界的な属で半寄生植物が450種が存在しており、アイブライトはヨーロッパ中の草地で見ることができ、主にアカツメクサやオオバコに寄生します。

14世紀には、‘目に対応するあらゆる症状全てに効くハーブ’として初めて記録され、「特徴税」を通して信用を獲得しました。曰く“アイブライトの紫色の花と黄色の斑点及び縞は充血など、目の症状に大変似ている。この特徴から理解するに、このハーブは同じものを癒やす効果がある。”という記録が残っており、後に活躍した17世紀を代表するハーバリスト、ニコラス・カルペパーこのハーブを視力の回復や記憶力向上に利用していました。

学名の由来は「元気」を意味するギリシャ語に因んでおり、一説ではギリシャ神話に登場する三美神の人柱である、喜びと笑いを司る神のエウプロシュネの名前が語源という説もあり、神話上では盲人の目を治したというエピソードも存在し、諸説あります。

利用部位:全体

ハーブティー

わずかに苦味はありますがそれほどクセのない味です。俗名であるアイブライトという名前は目が輝くようにきれいになることから付けられた名前で、ロシアの民間療法では疲れ目の治療薬として用いられていました。

薬用

苦味のある収れん作用のあるハーブで炎症を抑えるほか、穏やかな殺菌作用があります。対応する症状は目の痛み、疲れ目、花粉症による目のかゆみ、結膜炎、ものもらいなどの様々な目のトラブルに利用できるほか、カタル、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、上気道感染症に内服することが可能です。また、外用では煎剤を水で薄めてコットンに浸して目に当てれば冷湿布、そのまま目の洗眼液に用いることもできます。

エネルギーとしての働き

とても優しい味をしています。その静かなエネルギーは、口に入った瞬間から涼感を持って額、鼻腔、鼻、そして目に流れ込んでいきます。ぐっと押し流すのではなく、余分な熱や湿やよどみ、鬱帯を、まず外に出しやすく状態に変換させながら、無理なく通す形で流れていきます。飲むたびに弱っていた部分が元気を取り戻すようです。

英国流メディカルハーブ ページ70より抜粋

栽培

栽培品種で耐寒性があります。自然の草原で宿主植物の側で育ちます。繁殖は種を宿主植物であるアカツメクサやオオバコの近くにばらまきましょう。様々な環境に耐えられる強さを持ち合わせています。収穫は花が咲いたら全体を刈り取り、乾燥させたものを成分抽出液、成分浸出液、チンキ剤、ホメオパシーの薬として利用します。

Aesculis Hippocastanum

読み方:アエスクリス・ヒッポカスタナム

成熟すると全長30mは優に超える大型の木です。葉は5つ集まった形になり、晩春に小さな花が集まる形態を作ります。秋にイガを形成し、中に種子が詰まっています。Aesculisはラテン語で食物を表し、Hippocastanumもラテン語で馬という意味で、そのままホースチェスナットと呼ばれます。

歴史

英名でホースチェスナットと呼ばれ、その由来はかつて牛馬のタンパク源として用いられ、特にトルコでは伝統的に、冬の馬の健康を維持するために食べさせていたからです。

利用法

利用部位:熟した実、時々樹皮

健康

  • 外用薬として痔の応急薬として使われているほか、前立腺肥大の治療にも使われていました。
  • 収斂性のあるタンニン類をはじめ、静脈壁の強化、調整するサポニンを含み、静脈壁の透過性を下げる作用があります。

動物は食べても毒にはなりませんが、人間が食べると毒になるので、栗の実と間違えないようにしましょう。

あとがき

今回はマジョラム、アイブライト、セイヨウトチノキについて掘り下げてみました。

マジョラムは種から育てるよりも苗から育てるほうがうまく成長する確率が高いので、栽培する場合は断然苗をオススメします。ちなみに本場のマジョラムのほうが香りが良いようです。これは生育環境があちらの方が合ってるからだと思われます。

アイブライトは現代社会の電子機器による目の疲労を軽減するのに身体の内側と外側からの効果が期待でき、これから人気が出てきそうですね。

セイヨウトチノキは薬用というよりかは園芸植物としての側面が強いので、ハーブと言われてもイメージが湧きにくいかもしれませんが、収れん作用に優れていてこれもれっきとしたハーブと言えますね。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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