Part1~Part10

ハーブ解説過去記事まとめ Part8

今回改めて解説するハーブは、インドではメジャーなスパイスですが日本では少しずつ知名度が上がってきたカルダモン、スタミナ食材の代名詞であるガーリック、ヨーロッパの料理に使われることの多いキャラウェイの3種類です。

Elletaria cardamom

読み方:エレッタリア・カルダモム

日本名ではジョウズクという名前で、インドではメジャーなハーブのひとつです。消化吸収が良くなるとされ、海外では食後に噛む習慣が今でも残っています。
卵型の果実の中にはスパイシーな香りがする種子が多数入っており、マサラティーなど幅広い楽しみ方があります。また、サフランに次いで高価なスパイスで、カレー粉やウスターソースの原料として使われています。

Elletariaはこの植物のマレー語での名前が由来で、インドのマ・ラバル地方の土地名に由来します。cardamom心臓の形をしたという意味の「cardia」と香料としての「amomum」が合わさった言葉です。

歴史・エピソード

メソポタミア文明

紀元前8世紀、チグリス川とユーフラテス川に挟まれたバビロニア王国のバラダン2世の宮殿に植えられ、香料として利用されていました。

インド

紀元前4~5世紀、泌尿器系の疾患や脂肪を取り除く生薬として利用していました。

利用法

調理

肉の臭み消しに有効で、ハンバーグやミートローフなどのひき肉料理から、ドレッシング、ピクルス、お菓子など、幅広く使えます。

インドでは料理に欠かせず、特にカレーを作る時は欠かせないスパイスです。また、コーヒーにカルダモンを加えた、カルダモンコーヒーというのもあります。

薬用

  • 消化器系に有効で、食欲不振や過敏性腸症候群に効果が期待できます。
  • 呼吸器系の粘膜過多、慢性の気管支炎、咳や喘息といった疾患にも有効です。

栽培

高温多湿で水はけの良い肥沃な土壌を好みます。寒さには弱いので、8℃以上を保てる環境が必要です。

Allium Sativum

読み方:アリウム・サティウム

独特な刺激臭のする植物で、紀元前から栽培されていた植物の一種です。

高さは60cmほどになる多年草で、葉は灰白色を帯びた緑色で、地中で育つ球根部分は鱗片と呼ばれ、薄い膜に包まれて数個ついているのが特徴です。

花は種子を結ばず、花の中にできる小さな苗が地面に落ちて繁殖するという、ちょっと変わった繁殖方法を取ります。

Alliumは古いラテン語で、臭いと表し、Sativumは栽培されたという意味です。合わせて臭い栽培された植物ということとなり、学名で臭いと明言しているあたり意外と潔いと感じますね。
歴史

エジプトや中国、インドでは有史以前から栽培され、古代エジプト時代から栽培されていたことが判明しています。

ニンニクは数千年に渡り、魔女や怨霊、悪霊の類から身を守る魔除けとしても利用され、鱗茎を輪にして家畜や子供の首にかけたり、家の戸口に吊るすといった風習がありました。

古代エジプト時代

紀元前2500年頃から利用されていて、ピラミッドを建設に携わった奴隷たちには、玉ねぎとニンニクが食料として供給されていました。更に当時はエジプトの神官が神への供物として捧げていたことや、神聖視されて「にんにくにかけて」という宣誓があったほど崇拝され、貴重なものでした。

ピラミッドを作る奴隷たちにも配給していたことから、意外と福利厚生はしっかりしていたのかもしれませんね。

ギリシャ神話

英雄オデュッセウス以外の仲間は魔女キルケーにより豚に変えられてしまいましたが、運良く変えられなかったのは、ニンニクのおかげという説があります。

イスラムの伝承

大魔王が人類を堕落させてエデンの園を去る時、左足の足跡からニンニクが、右の足跡から玉ねぎが生えたという伝承があります。

日本

日本には朝鮮半島を経て、奈良時代以前にもたらされていたといいます。日本でも、邪気を払うために、戸口に吊るすという風習がありました。

英名ガーリックの語源

「槍」を意味するアングロサクソン語のgarと「ポロネギ」を意味するleacに由来しています。

20世紀頃

20世紀後半には人々の外国旅行者が増加したことから、より他の国への料理に対して関心が高まりました。ヨーロッパやアメリカの南北の移住は、地中海やアジアの食材、そしてガーリックの消費増大に繋がりました。

今日、ガーリックはアメリカのアラスカ州以外の全土で栽培されており、特にカリフォルニア州のギルロイ市は「世界のガーリックの都」と言われています。

ニンニク祭り

先述したカリフォルニア以外にも、イギリスワイト島でも同様に品種改良や生産が盛んで、毎年8月にはニンニク祭りというものを催しています。

各種利用法

料理

鱗茎だけに目が行きがちですが、葉や茎は炒め物に利用することができます。

鱗茎はすりおろしたり、刻んだり、調味料として利用しましょう。また、魚や肉類の匂いを消すのにも有効で、様々な料理に活用できます。

薬用

アメリカ ジョージ・ワシントン大学の研究

血液凝固を減少させる働きがあり、心臓血管病に有効であると報告。

分かりやすく説明すると血液をサラサラにして心臓病のリスクを減らせることが分かったということです。

インドの研究

ガーリックを食せば血中のコレステロールや他の脂肪が著しく現象することが示されました。正しい生活習慣にニンニクをプラスすれば、ダイエット効果がありそうですね。

Caraway

初夏に小花がまとまって咲く、高さ40~60cmの1,2年草で、耐寒性があります。

1,2年草とは、種子から枯れるまでのサイクルが1~2年の植物のことです。

見た目は人参に似ていて、深く切れ込んだ葉は、非常に似ています。

カルボン

ハーブに含まれる精油成分の一種で、ほぼ全てのエッセンシャルオイルに含まれています。この成分はキャラウェイだけでなく、ミントや柑橘類にも含まれていて、効能としては、抗ウィルス作用やうっ滞除去作用、刺激作用などがあります。

キャラウェイ
人参

歴史

エジプトの医学書「エーデルス・パピルス」にアニス、コリアンダー、ニンニクと共に記載があり、古代ギリシアでは香油が病の治療に使われていました。

さらに時代を遡ると、化石化したキャラウェイが中石器時代の遺跡から見つかっており、約5000年前から利用されていたと推測されています。

日本には明治初期に渡来し、明治、大正時代に流行した「カルルスせんべい」には、キャラウェイシードが入っていました。

偉人のエピソード

ジュリアス・シーザー

古代ローマ時代、ヨーロッパ各地を征服していた彼は、ローマ軍の兵隊食として利用し、chara(カラ)とよんで珍重していました。

ウィリアム・シェークスピア

戯曲の中に、「ピピンリンゴとヒメウイキョウの種」という台詞があり、そのシーンでは、焼きリンゴと一緒に出されたそうです。

キャラウェイの言い伝え

人や物を引き止める力があるとされ、家畜に食べさせると迷子にならないや、夫婦や恋人同士で食べれば長く添い遂げられる、大切なものを入れておけば紛失せず、盗人は持ち主が現れるまで動けずに留まるといった迷信があります。

各種利用法

調理

ドイツやスカンジナビアの料理の特色になっており、ドイツのキャベツの酢漬け、ザワークラウトやハンガリーのグヤーシュにも欠かせません。

グヤーシュ=ハンガリーのシチューのことです。
ザワークラウト
グヤーシュ
  • 若葉はスープやサラダに利用でき、苦味が良いアクセントとなります。種子はパンやクッキーなどの焼き菓子の香り付けにおすすめです。
  • リキュールの香り付けにも使われ、キャンメル酒やキャラウェイブランデーに欠かせません。
キャンメル酒=キャラウェイが原料のリキュール

ハーブティー

胃腸を元気にする効果が期待でき、消化作用に優れているので、食後に食べ過ぎたお腹の調子を整えるのにオススメです。特に脂っこい食事の後に飲めば、胃もたれの緩和に有効です。

栽培

日当たり、水はけの良い土を好みます。春か秋に種をまくのがオススメです。幼苗は寒さに弱いので、春に種をまきましょう。

あとがき

今回はガーリック、キャラウェイ、カルダモンの3種類について掘り下げてみました。

ガーリックは美味しく滋養強壮に優れており、料理にも大活躍なハーブで私も結構な頻度で使ってます。パスタソース作るときには必須で、大体にんにくを使えば美味しくなると思ってます。

カルダモンはスパイスの女王と言われているのを初めて知った時は驚き、やっぱりハーブの世界は奥深いと感じました。

コーヒーにカルダモンは正直合わないでしょう。と思っていましたが、試してみるとスッキリした味になって、意外に合うことがわかりました。

この記事を読んでいる人も、普段のコーヒーにちょっと飽きたと感じたら、試してみるのはいかがでしょうか?

キャラウェイはセリ科の一種で油管と呼ばれる機関にエッセンシャルオイルが貯蔵されており、この機関が壊されると臭いが放出されるという仕組みです。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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