Part1~Part10

ハーブ解説過去記事まとめ Part9

今回改めて解説するのは、世界三大スパイスの一つであるクローブ、アーユルヴェーダではとても重要な位置を占めているゴツコーラ、様々なアルカロイドを含んでいるヒドラスチス、きれいな青い花を咲かせ、ドライにしても色落ちがしにくいのが特徴のコーンフラワーの4種類です。

Syzygium aromaticum

読み方:シジギウム・アロマティカム

インドネシア原産のハーブで、当然ながら寒さに弱いです。

ハーブとして利用するのは、蕾を乾燥させたもので、開花前に収穫します。夏と冬に蕾を付けますが、苗木を植えてから7~8年かかります。

名前のクローブは乾燥した見た目が釘に似ているため、フランス語で「Clou(クギ)」に由来し、さらに和名の「チョウジ」も中国語でクギを意味します。

世界3大スパイス=クローブ、シナモン、ブラックペッパー

主な成分

オイゲノール

クローブには独特でスパイシーな香りがあり、香りの正体がこの成分です。強力な局所麻酔効果と鎮静作用があり、「歯医者さんの香り」とも呼ばれます。

利用方法

料理

香りが強いため、少量使うのが望ましいです。ハムなどの燻製料理に臭み消しとしてホールのまま刺して使います。

粉末にはバニラのような香りがあるため、お菓子作りにも利用できます。

健康

  • そのまま噛めば、歯の痛みを和らげてくれます。
  • 精油や浸出油をマッサージオイルに使うと、関節炎や背中の痛みの緩和に役立ちます。
  • 催淫作用もあり、性欲減退や勃起障害などに効果が期待できます。

クラフト

香りが強いので、ポプリやサシェに加工できます。

オイゲノールはゴキブリが嫌う香りなため、精油を垂らした小皿をゴキブリがいそうなところに設置すれば、予防ができます。

歴史

原産地のインドネシア、モロッカ諸島は古くから香料の産地として知られ、紀元前から中国やイラン、インドに伝わり、殺菌や消毒に利用されました。

かつては中国が貿易を独占し、その後大航海時代にはポルトガルやオランダが原産地ごと争奪し、1770年にフランス領でクローブの苗が植えられ、独占貿易の時代は終わりました。

16世紀頃、オランダの征服者によって島に栄えたクローブの木を破壊されるまではテルテナ島の人々は伝染病にかからなかったが、伐採された後、島民の多くは伝染病で死んでしまいました。

日本には5~6世紀に持ち込まれ、正倉院に収められたほか、刀の錆止めに使われました。

百里香

クローブの別名で、百里先からも香りがするという逸話からこの別名がつきました。

Centella asiatica

読み方:センテラ・アジアティカ

葉の形が小脳に似ていて、イギリスのハーバリスト(植物療法士)にとってはメジャーなハーブです。また、インドの伝統医学アーユルヴェーダにも使われます。

別名タイガーグラスとも言われ、トラが傷口に葉を巻きつけたという逸話からこの名前が付きました。

健康

  • 記憶力の向上や中枢神経のリラックスなど、精神に働きかける作用のほか、アルツハイマー病やADHDの治療にも利用されます。
  • 肌トラブルに有効で、蕁麻疹やニキビなどに湿布剤として使えば、炎症を抑える効果が期待できます。
  • 静脈瘤、静脈潰瘍や傷跡の治療薬としても使われます。
  • インドやアフリカではハンセン氏病の治療薬として利用されています。

Hydrastis canadensis

読み方:ヒドラスチス・カナデシス

キンポウゲ科の植物で、ハーブとして使うのは根っこの部分で、2年経ったものを薬用として利用します。根の見た目は節が多く、黄色い塊です。

かつてはアメリカのインディアナ州やウェストバージニア州、ケンタッキー州、イリノイ州に自生していました。しかし、入植者たちによって乱獲され、現在は絶滅が危惧された為、、ワシントン州、ノースカロライナ州で商用栽培されています。

主な成分と作用

ベルベリン

鎮静効果に優れているほか、血圧降下作用や強力な抗菌力及び抗ウィルス作用があります。この成分には子宮を刺激する作用があるので、妊婦には使用は禁忌です。

アルカロイド

これらの成分は中枢神経に著しい作用を及ぼすもので、コーヒーに含まれるカフェイン、芥子の実から採れるモルヒネ、コカの木から採れるコカインなど、一般的に麻薬と呼ばれているものの総称です。

現在では、主要成分のベルベリンという成分が抗ウィルス作用に優れていることが期待されています。

利用法

健康

皮膚の感染症やただれに効果があるほか、鎮痛、治癒を目的とした目薬や点鼻薬に利用されます。

消化器系、特に腸の症状に使う場合は、有益な腸内微生物と病原菌を療法を殺してしまうので、使用する場合は短期間の使用に留めましょう。

歴史

アメリカの先住民族のヒーラに習って、初期の入植者達が利用したハーブの一つです。

太平洋岸を目指した「ルイスとクラーク探検隊」は、1804年の日誌に、「ヒドラスチスは眼病と口内炎に効く薬だ」と記しています。

Centaurea Cyanos

読み方:ケンタウレア・キャノス

園芸品種としても多く存在するハーブで、紫やピンク、青など色とりどりの花を咲かせる30~100cmの1.2年草です。

Centaureaはギリシャ神話の神、ケイローンが由来です。Cyanosは古代ギリシャ語で藍色を意味します。

歴史

1922年にエジプト王家の谷を発掘した考古学者、ジョン・H・カーター博士は、3000年前の王の墓所、ツタンカーメンの墓を発掘し、黄金の墓の中に、この花のリースが入れられていました。

かつてのドイツ、プロイセン王国だった時代、ナポレオンが攻めてきた時にベルリンから逃げてきたルイーゼ王妃は、手近に生えていたコーンフラワーでリースを作り、皇子たちの心を慰めたというエピソードが残っています。このことからドイツの紋章となり、国花とされました。

日本には明治時代に渡来し、矢車草とは品種が違います。

利用法

料理

花を細かくし、サラダに加えると彩りが良くなります。また、ゼリーやアイスクリームといった冷たいお菓子にもオススメです。

薬用

消炎作用があり、軽いキズの外用薬として湿布剤にすることができるほか、ヘアトニックやスキンローションにも利用できます。

使用例
目の痛み・炎症・口内炎

生の花を浸剤にして冷やし、1日2~3回コットンに含ませて目に塗布すれば、痛みを和らげることができます。口内炎は、冷やした浸剤をうがい薬として使えば、炎症を緩和してくれます。

敏感肌・乾燥肌

生の花を煎剤にし、バスタブに入れれば炎症を落ち着かせることができます。

クラフト

ドライしても色落ちしにくいので、ポプリやリースにするのがオススメです。

あとがき

今回はヒドラスチス、ゴツコーラ、コーンフラワー、クローブの4種を改めて紹介しました。

クローブはゴキブリが嫌いな成分のオイゲノールを含んでいる為、精油を垂らした小皿をゴキブリが居そうな冷蔵庫の下側の隙間や家具の間に置くと良いでしょう。

ゴツコーラはアーユルヴェーダではメジャーなハーブですが、日本では余り知られていないのが惜しいハーブで、このハーブを含め新たなハーブがどんどん出てくると良いですね。

ヒドラスチスは乱獲のせいで野生のものが絶滅に瀕しているため心配ですが、これから栽培技術が発達すれば野生のものに頼らなくてもいいようになって、そんな未来になれば良いなと思います。

コーンフラワーは観賞用の一面が強いですが食べることも可能なので、興味のある人は食べてみていかがでしょうか?

個別にリンクも貼っておくので、興味のある方はみてくださると嬉しいです。

クローブ

https://www.herbainformationstore.com/2020/03/18/clove/

ゴツコーラ

https://www.herbainformationstore.com/2020/07/27/centella/

Twitter開設したので、この記事が役立ったと思った方は、いいねやフォローして下さると嬉しいです。⇒@kemu26559875

今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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