過去記事のまとめ

ハーブ解説過去記事まとめ Part17

特徴

西洋の料理の彩りに欠かせないハーブで、葉が縮れているものを「モスカドール」、葉が平たいものを「イタリアンパセリ」と区別しています。初夏に薄黄色の花を付け、その後卵型の種子を付ける、一年草です。

主な成分:βカロテン

ニンジンなどに多く含まれる、油に溶けやすい成分で、別名「プロビタミンA」といいます。体内に入ることでビタミンAと同じ働きをし、抗酸化作用に優れています。

学名:Petroselium crispum

読み方:ペトローズリナム・クリスパム

Petroseliumパセリそのものを表し、1世紀の医者ディオスコリデスが「岩(petra)」と「selion(セロリ)」を組み合わせた単語になります。crispum縮れた、シワのあるという語意です。合わせて岩に近くに生える縮れたパセリという意味になります。

各種利用法

調理

野菜や肉、魚料理など、様々な料理に使え、スープやソース、ハブバターやチーズと万能に使えます。また、ブーケガルニやフィーヌゼルブ(フランス語でみじん切りのハーブという意味)にも使われます。

ハーブティー

体の汚れを取り除く作用があり、特に肝臓や胆嚢の洗浄力に優れているとされています。ハーブ療法では主に種子が使われています。

薬用

浸出液は外用に打撲や捻挫、青あざや虫刺されなどに有効です。さらに、肌や毛細血管を丈夫にし、感染症を防ぐための穏やかな抗生作用もあります。加えて、天然の抗ヒスタミン剤としての一面もあり、喘息や花粉症に有効とされています。

治療目的の場合、炎症を伴う腎臓病の人に対しては禁忌です。料理に使う場合は大丈夫です。

栽培

3月~6月、9月~10月に種をまきましょう。光を好むので、まいたあとは薄く土をかぶせるのがポイントです。花をつけると株が弱るので、長く収穫する時は花茎を早めに摘みましょう。

歴史

古代ギリシャ時代に本草書の記述が残っていて、当時は薬用として使われていたほか、コリント地方の競技者の勝利者にパセリで作った冠を与えるなど、儀式的な用途もありました。また、古代ギリシア叙事詩の中で、戦車を引かせる馬にパセリを与えたり、パセリとヘンルーダを庭の縁取りに使うなど、日常的に使われていました。

サセックスにあるウェストディーンにある壮大な庭園には、縮れ葉のぱせりが季節の花壇の縁取りに使われている。
ウェストディーン庭園

古代ローマの人々は少なくとも3種類のパセリを栽培したとされ、料理に用いられていたほか、病気で弱った魚を治すためにパセリを行けに入れたり、死者への追悼として、葬儀の会食に登場してました。

偉人のエピソード

カール大帝

初代ローマ皇帝であるカール大帝は、パセリの種子で香り付けしたチーズを好んでいました。

その他の品種

イタリアンパセリ
特徴

葉が平たく、鮮やかな緑色の葉は爽やかな香りです。日本では縮れた葉の品種が主流ですが、海外ではこちらが主流です。

学名:Ocimum basilicum

読み方:オーシマム・バシリカム

Ocimum

香りを楽しむことに由来する説と、葉の形が唇に似ていることからギリシア語のOkimonに由来するなど、諸説あります。

Basilicum

王者にふさわしいという意味です。

特徴

アフリカから南アジアの熱帯地域が原産のハーブで、日本では一年草扱いです。一般的に知られるのはスイートバジルですが、ホーリーバジルやシナモンバジル、レモンバジルなど、様々な品種が存在します。

高さ40~60cmまで成長し、葉は爽やかで甘い香りがします。よく枝分かれする茎に、しそに似た小さな白い花が集まった形態で花を咲かせるのです。また、熱帯原産なため寒さに弱いことも特徴の一つに挙げられます。

バジルの花

歴史

インドでは聖なる植物として大切に栽培され、ヒンドゥー教徒の人々が捧げています。これを育てて祭るものは罪が軽くなり、天国への道が開かれると信じられていました。また、死者へ捧げ、野辺の送りをする習わしもありました。

ヨーロッパに渡来したのはアレキサンダー大王がインドから持ち帰った説があります。また、空気を浄化する働きがあるとされ、バジルの鉢が窓辺に置かれました。

イタリアでは愛のハーブとされ、その香りによって相手を自分に向けさせると信じられていました。また、恋人にプロポーズする時にバジルの枝を差し出し、相手が受け取れば愛を承諾し、永久に愛するというロマンチックな伝承があります。

日本に渡来したのは江戸時代で、中国から薬用として輸入されました。種子を水に浸すとゼリー状になり、それで目を洗ったことから、「メボウキ」という和名がつきました。

バジルの小話

バジルの学名は王者にちなむにも関わらず、国によっては貧困や憎悪、不運を象徴するようにもなりました。そのため、バジルの種を蒔く時は貧しさを追い払うために、罵倒しながらまいたというちょっと面白い伝承があります。

主要成分:メチルチャビコール

フェノールエーテルという成分の一種で、バジルオイルから抽出されたオイルには刺激性があるので、使用には細心の注意をしましょう。ただし、スパイスとして使う分には一般的に安全とされています。他にもディルやアニスシードにも含まれているのです。

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各種利用法

料理

ピザやパスタの飾りからソース、トマトの煮込み料理やリゾットなど、イタリア料理には欠かせないハーブで、変わった使い方としてチーズを使ったお菓子とも相性がいいです。

定番は松の実とバジルのジェノベーゼソースで、パスタやリゾットに合わせるのがオススメです。

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ピストゥソースというのもあり、こちらはプロヴァンス地方の冷たいソースのことで、新鮮なバジルとニンニク、オリーブオイルを合わせたものです。冷製パスタやカプレーゼなどに合わせると良いでしょう。

ピストゥ参考画像

健康

スパイスとしてでなく、お茶として飲むことも可能で、消化を促したり、胃炎、胃痙攣、胃酸過多などの胃腸症状の改善に役立ちます。また、神経系に働きかけ、イライラや不安、不眠症を改善する効果が期待できます。

ハーブティーとしての味は、くっきりとしたスパイシーなエキゾチックな味です。

妊娠中に大量に使用するのは控えましょう。

栽培

発芽適温は20~25℃と高めなので、この気温になったら種まきや挿し木で増やしましょう。水を控えめにすると香りが良くなります。また、苗が小さな時は乾燥させないようにすることもポイントです。

葉が生い茂ってきたら新芽のすぐ上を剪定を兼ねて収穫することにより、枝の数が増えて株のボリュームが増え、収穫量が上がります。

バジルとトマトは栽培でも相性が良く、トマトをコナジラミやアブラムシなどの害虫から守り、風味を良くするという、いい事ずくめです。このよう作物との相性がいいハーブのことを、「コンパニオンプランツ」といいます。

品種群

ここからはバジルの品種をいくつかご紹介。

ホーリーバジル

別名、ガパオ、トゥルシーという名で、ヒンドゥー教では女神ラクシュミーの化身とされ、トゥルシーはインドの言葉で「比類なきもの」という意味になります。タイ料理のガパオライスで使われるのが、このバジルです。

ガパオライス
ダークオパールバジル

高さ45cmになるスイートバジルの改良品種です。全体的に紫色でピンク色の花を付けます。料理のアクセントにうってつけです。

シナモンバジル

タイバジルとスイートバジルの交配品種で、シナモンに似た香りがします。茎葉は旺盛に成長し、茎や花はピンク色なのが特徴です。ハーブティーやスイーツ、炒めものなどに使われます。

ブッシュバジル

小さな葉が集まってこんもりと茂っている形が特徴です。スイートバジルと同じような使い方ができ、観賞用にも向きます。スイートバジルに対し、寒さに強いです。

タイバジル

アニスのようなエキゾチックな香りのする高さ30cm程度まで成長します。タイではホーラーパーと呼ばれ、グリーンカレーやフォーに欠かせないバジルです。

アフリカンブルーバジル

ダークオパールバジルとカンファーバジルの交配種。丈夫で生育旺盛で、バジルの中では比較的寒さに強く、寒さに当てると葉が紫色を帯びるのが特徴です。観賞用や食用として人気がありますが、種子はできないです。

レモンバジル

高さ30cm程の小型のバジルで、葉はやや小型で明るい緑色です。タイではメーンラック、インドネシアではクマンギと呼ばれています。強いレモンの香りがあり、魚料理や鶏肉料理といったさっぱりした料理と相性がいいです。

あとがき

今回はパセリとバジルについて改めて掘り下げてみました。

パセリは脇役としてのイメージが強いですが、栄養価も高く品種によってはメインを張れるほどのポテンシャルを持っているハーブですので、積極的に摂取したいですね。

バジルはハーブの中でもメジャーな部類ですが、品種によって全く味が異なるのでいつもと違う品種のバジルを見かけたら挑戦してみてはいかがでしょうか?

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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