過去記事のまとめ

ハーブ解説過去記事まとめ Part19

Avctum lappa

読み方:アウクトゥム・ラッパ

高さ2mまで伸びる大型の多年草で、直立して分岐します。葉はふきのように大きく、裏側はびっしりと毛が生えています。栽培品種は根の直径が3cm、長さ1mほどまで成長するのが特徴です。花はアザミに似た球形の頭花で、枝先や葉のわきに生えます。

北ヨーロッパが原産で、荒れ地や生け垣などでも見られます。根や若葉、果実は薬用として世界で使われていますが、野菜として根を食べるのは日本などの少数派の国々です。

Avctumギリシャ語のarktos「熊」に由来し、lappaは牛蒡のラテン語名です。

主な成分:イヌリン

不溶性食物繊維の一種で、腸内環境を整えるほか、腸内細菌の餌となります。

牛蒡の花

主な利用法

料理

根はキンピラやかき揚げ、スープなどに利用されます。日本では煮物に欠かせない一品です。最近はごぼう茶なるダイエット茶が流行していますね。

健康

浄化作用が強く、湿疹や蕁麻疹、感染、ニキビ、おできや腫れ物といった乾燥、脂性肌両方の皮膚疾患に活躍します。

関節炎、リウマチにもネトルと一緒に摂ることで効果的なほか、消化不良や便秘、鼓腸といった腸のトラブルにも有効とされています。

歴史

日本に伝わったのは中国からとされ、縄文時代初期の貝塚からは植物遺存体が見つかっています。

記録として残っているものは平安時代に編纂された「倭名類聚抄(わみょうるいじゃしょう)」で、当時の呼ばれ方は「岐多岐須(きたきす)」、「宇末布々岐(うまふぶき)」と書かれていましたが、中国の読み方は「悪実(アクジツ)」や「牛蒡子(ごぼうし)」と読んでいました。その後、日本での従来の和名でなく、「牛蒡」が使われるようになりました。

今日ハーブ療法で使われているのは根ですが、かつては消化不良のときには葉を、肌を柔らかくするのに種子が使われていました。

偉人とハーブのエピソード

17世紀のイギリスを代表するハーバリスト、ニコラス・カルペパーは便秘や感染による熱、尿路結石の治療にごぼうの根を使っていました。

ウィリアム・シェイクスピアは植物にとても詳しく、芝居の台詞に多くの花やハーブを取り入れています。以下「トロイラスとクレシダ」の台詞の一部の抜粋です。

   棘のあるものを投げつけてやれば、くっついて離れないぞ。

ウィリアム・シェイクスピア

Trigonella foenum-graecum

中東などではスパイスとしてでなく、貴重なタンパク源です。

高さ40~70cmまで伸び、直立する茎は分岐し、葉は互い違いに生えます。葉の形は楕円形で、全部位に香りがあるのが特徴です。6~8月に白から黄色い花を咲かせ、花後に細長い鞘を付けます。その中に10~20粒ほどの種があり、これをスパイスとして利用します。また、中東原産なため、寒さには弱いです。

主な作用

抗炎症、浄化作用のほか、胃腸の粘膜を保護する働きに加え、子宮機能を高め、生理痛を和らげる働きが期待できます。さらに、鎮痛作用と血糖値を下げる効果も期待できます。

各種利用法

料理

発芽した双葉をサラダにすることが可能です。種子はスパイスとしてカレーパウダーやインド料理の香り付けに利用されます。

ハーブティー

種子をハーブティーとして活用し、甘い香りと苦味があるのが特徴です。苦味が気になる場合は、蜂蜜やレモンを加えると飲みやすくなります。

健康

消化不良や胃の痛み、食欲不振など胃腸のトラブルを緩和する効果が期待できます。さらにアーユルヴェーダでも利用され、肝機能を刺激する働きがあると考えられています。

栽培

春に種をまきますが、冷涼地では時期が遅いと豆が収穫できないため注意が必要です。

歴史

栽培の歴史は古く、紀元前7世紀にアッシリアで栽培が始まったとされ、そこからインド中国へと伝播したという説があります。しかし、紀元前2世紀ごろ、ローマの政治家の一人が干し草にこの草を混ぜると乳牛の乳の出が良くなることを知り、牛の飼料として栽培することを奨励した。という記録も残っており、諸説あります。

古代エジプトでは宗教的な意味合いが強かった為、儀式に用いる香料や燻蒸、ミイラの保存用調合香料などの材料となりました。さらに、果実は栄養価が高く、宗教上的な理由で肉を食べられない人々の貴重なタンパク源でもありました。また、当時の医学書エーデルスパピルスにも記録があり、安産のハーブであるとされていました。

学名の由来

Trigonella

trigon「三角形」と「ella」小さいが合わさり、「小さな三角形」という意味の単語です。

foenum-graecum

ギリシャの干し草という意味になります。

あとがき

今回はゴボウとフェヌグリークについて掘り下げてみました。

ごぼうが野菜として食べられているのは極わずかという記述を見たとき、日本人の飽くなき食への探究心が垣間見えました。因みに花言葉は「私にさわらないで」「しつこくせがむ」「用心」「いじめないで」とあまり良い意味ではないようですね。

フェヌグリークはスパイスショップなどで売っていることが多く、一からカレーのルーを作りたいという本格派の方は是非このハーブを使ってみてはいかがでしょうか?

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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