過去記事のまとめ

ハーブ解説過去記事まとめ Part46

ご挨拶

今回紹介するのはどんなところでも育つことができるタフなアトゥリプレクスというハーブとアウロパ。いわゆるベラドンナについて解説をしていきます。

Atriplex hortensis

読み方:アトゥリプレクス・ホルテンシス

常緑・半常緑の一年草や多年草を含む100種類の属からなり、世界中の温帯や熱帯地域に分布しています。

この品種は生長の早い一年草で、高さは60cm、幅15~30cmまで成長します。大抵は赤みがかった三角形に近いハート型の葉とあまり目立たない黄色や赤い花をつけるのが特徴です。また、ほとんどの品種には塩に耐性があるため、塩分を含んだ土壌でも問題なく成長することが可能です。

各種利用法

料理

ほうれん草のように使われることが多いですが、単独で使われることはあまりなく、香りと栄養価を高めるために他のハーブと一緒に利用されます。

北アフリカが原産のパースレ・インノキ(a.halims)という品種は、焼いて灰にし、制酸性の土壌改良材に利用されます。

薬用

だるさを払うために内服され、穏やかな刺激と代謝促進作用があります。ただし、大量のサポニンを含むため、過剰摂取をすると有毒なため、大量に摂取するのは危険です。

栽培

野生種と園芸品種が存在し、耐寒性があります。日向で水捌けの良い土地を好み、特に沿岸地域では発育が良いようです。繁殖には秋に種をまき、収穫は必要に応じて摘み取り、生で使用します。

歴史

アメリカ初期の入植者達は石鹸の代替物や野菜、壊血病と血液の治療薬に利用していました。

Atropa

この名前だとピンとこない方が大半でしょうが、「ベラドンナ」という名前ならばご存知という方は多いかもしれません。そう、推理小説や戯曲で犯人が殺人をするときの方法、つまり毒殺に使われるハーブです。

Atropa belladonna

読み方:アトロパ・ベラドンナ

特徴

高さ1~1.5m、幅60~90cmまで成長します。よく枝分かれする茎20cm程の卵型の葉を持つのが特徴です。夏の間に紫褐色の鐘形の花が咲き、枯れずに残って萼がついたまま光沢のある実を付けます。

ベラドンナの英語名は「dwale(ドゥウァレ)」とも呼ばれ麻痺させるものという北欧の言葉が語源となっています。毒を持っていますが東ヨーロッパを中心に製薬産業のために栽培され、医薬品には欠かせないハーブとなっています。

薬用

様々なアルカロイドを含む催眠性のハーブで、口・気管・胃の分泌液を抑制する作用があります。内服では胃酸過多、胃潰瘍、腎臓結石、胆石、心筋梗塞、低血圧、手術前に投薬されることがあります。外用ではリューマチ、筋肉痛のリニメント剤、湿布薬、手術前の点眼液として利用されます。また、ホメオパシー療法では日射病や月経痛、急激な発熱状態と激痛を伴う疾患に処方されます。

当然ながら有毒なため、この植物と含まれるアルカロイドが法規制の対象となるため、専門の資格を持つ方のみ扱いましょう。

過剰摂取をした場合、口の乾き、声帯麻痺、瞳孔拡散、錯乱、呼吸困難を引き起こして最終的に死に至ります。さらに、触れるだけでもただれを起こし、食べると猛毒です。

栽培

日向か半日陰で水捌けの良い湿り気のあるアルカリ性の土壌を好みます。また、暖かく乾燥した気候だとアルカロイドの含有量が増えます。

歴史

薬用の応用価値があると共に、毒殺犯が使用したという恐ろしい歴史もあります。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」にも登場し、デンマーク軍隊の征服の逸話が有名です。

学名の語源

belladonnaはイタリア語で「貴婦人の花」という意味で、かつてこの花から作った目薬を差し、目を大きく見せたことに由来します。この作用はベラドンナに含まれる散瞳作用によるものです。

Atropaはギリシャ神話に登場する運命の三女神の一柱Atroposに由来し、この女神は運命の糸を断つことからその毒性を暗示しています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。