過去記事のまとめ

ハーブ解説過去記事まとめ Part49

ご挨拶

今回はベレスというキク科のハーブとボリジの2種類について解説します。

最後まで読まないと効能はもちろん、このハーブの歴史を紐解くことは出来ません。

Bellis

ヨーロッパや地中海沿岸を原産地とする耐寒性の一年草でや多年草7種類が存在し、草地のいたる所で満ち溢れているハーブで、薬草としても長い歴史を持ちます。語源は、ラテン語のbellus「かわいい」から来ているようです。

Bellis perennis

読み方:ベレス・ペレニス

高さ2.5cm、幅7~12cm程で、根本からロゼッタ状に広がる茎と倒卵形の葉を持つ多年草です。

春から夏にかけて明るい円盤状の中心と白やピンクがかった舌状花。いわゆる舌に似た形の花びらをつけます。

各種利用法

利用部位:葉・花

料理

若葉や蕾、花は香りが良く、酸味があるためサラダに加えるとアクセントになります。

薬用

収斂、治癒、去痰性のハーブ。鎮痙作用に加えて咳、カタル症状に内服することが可能です。外用としてヘルニア、静脈瘤、軽いキズ、目の痛み、涙目に有効です。また、ホメオパシー療法では重度の打撲傷に効果が期待できます。

栽培

耐寒性を持ち、日向、半日陰の水捌けの良い土壌を好みます。繁殖は春に温室などに種を蒔きます。ロックガーデンやコンテナでも簡単に栽培することができ、次々花を咲かせるには、咲き終わった花がらを摘み取るようにしましょう。

歴史

伝統的な外傷用のハーブであることは書きましたが、最近の研究ではHIV治療薬としての可能性があると判明しました。

また、記録に残っているものではジョン・ジェラルド著「本草書または一般植物」では、”デイジー類はあらゆる痛みを緩和し、特に関節痛と痛風に効く。新鮮な無塩バターと共につきつぶし、痛むところに塗る”と書かれています。

その他の品種群

B.P.”pommonetta”

読み方:ベレス・ペレニス・ポンポネッタ

春の花壇やロックガーデンに向く品種です。直径3.5cmになるピンク、淡紅色、白い八重咲きの花を咲かせます。

B.P.”Prolifera”

読み方:ベレス・ペレニス・プロリフェラ

変わった咲き方をするデイジーで、エリザベス朝時代には「子連れデイジー」と呼ばれていました。白やピンクがかった花が八重に咲き、大きな花から小さな花が出てくるという珍しい咲き方をします。

Borage

星型の花をつける高さ30cm~1mになる一年草と多年草が3種類存在し、地中海沿岸や西アジアに自生しています。B.pygmaea(ボロゴ・ピグマエア)は観賞用品種で、料理や薬用などには向かないので注意しましょう。

学名の語源は剛毛のある葉の様子から「毛皮の外套」を意味するラテン語、Burraに由来しています。

Borogo Offichinaris “alba”

ボリジ同様剛毛のある葉を付けますが、こちらは白い花を付けます。

Borogo Offichinalis “borage”

ボラゴ・オフィキナリス・”ボリジ”

ボリジといえば星型の花を咲かせるのが特徴です。直立した太い茎の中は空洞でがっしりとしており、葉は剛毛が生え、触るとチクチクします。花後には黒褐色の実を結びます。

 

この花を絞った汁は”マドンナブルー”と言われ、かつては絵の具の材料になっていました。

各種利用法

利用部位:葉・花・種子

料理

葉はキュウリのような香りがすることから、伝統的なワインベースのお酒にまるごと加えられていました。イタリアでは葉や花が野菜料理に入れられるほか、酸味のあるものに触れるとピンク色になるという特徴もあり、シロップやケーキの飾り付けに使われるデコレーションの砂糖漬けやアイスキューブにも利用できます。

ハーブティー

清々しい味と香りが特徴で、熱を伴う風邪や咳、インフルエンザといった諸症状の緩和に役立ちます。心臓への強壮作用もあり、動悸を鎮め、病後や長期的な疲労が重なったときの心機能を回復する手助けをしてくれます。

薬用

塩味のある冷却性のハーブです。傷つき、炎症を起こした組織の慰撫、発汗促進、弱鎮静、抗うつ作用があります。種子にはガンマリノレン酸を多く含み、内分泌系を整える作用があり、月経前症候群の緩和や血圧を下げる作用があります。

副腎を刺激し、アドレナリンを分泌させるとされ、不安な気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。ブレンド例としてオートやレモンバームと一緒にするのもオススメです。

内服では発熱、胸膜炎・肺炎などの気管支感染症や口内、喉の感染症、乾燥肌、慢性腎炎に使われ、外用では目、口の洗浄剤、うがい薬、湿布薬に使用されるほか、種子のオイルはイブニングプリムローズオイルの代用に使われることがあります。

オイル以外には少量のピロリジン・アルカロイドを少量含むため、肝臓障害や肝癌の原因となることがあるため、国によっては法規制の対象となります。

栽培

園芸品種で耐寒性があります。日向で水捌けの良い場所を好み、痩せた土でも耐えられるタフな植物ですが、条件が良ければそれだけ大きく育ちます。繁殖には春、同じ場所に種を植え、45cm間隔に間引きましょう。また、ボリジは太い直根を伸ばすので、移植には不向きです。

他の植物の近くに植えることでマメコガネとトマト。ホーンビートルの防除となり、花はミツバチを引き寄せることからイチゴとの相性もいいです。

収穫

葉は春と夏、花が咲き始めたら集め、生のままか乾燥させたものを成分抽出液にしましょう。花は開花したら摘み、萼を採ってから生のまま使用するか、シロップ、砂糖漬けに加工しましょう。劣化が早いため、摘んだらすぐに加工するようにしましょう。

歴史

古代ギリシャやローマ時代には薬草として扱われ、古代ローマ時代の貴族たちは花をワインに浮かべて味と香りを楽しんでいました。ローマ時代の博物学者大プリニウスも「喜びをもたらすもの」と呼び評価をしていました。

中世の時代、ヨーロッパでは古くから良い血液を作り出すと言われ、薬用ハーブに用いられていました。また、エリザベス朝時代の貴族たちは、この星型の花をモチーフに刺繍を施したとされています。

偉人たちのエピソード

フランス国王 ルイ14世

この花を好み、ベルサイユ宮殿に植えさせ、「ボリジのない庭は勇気のない心のようだ」と言い伝えられたとされています。

ジョンジェラード

16世紀のハーバリストで、悲しみや憂鬱な気分を取り除き、人を快活にし、明るい気分にさせると記録に残しています。

ニコラス・カルペパー

17世紀のハーバリストで、目や皮膚の炎症を和らげるためにボリジを処方した記録が残っています。

クリーブ婦人

20世紀を代表する著名なハーバリストで、ボリジが満開時期に地上部の若い部分はきゅうりに似た味がするため、早春の野菜として食べられると記録しています。

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