過去記事のまとめ

ハーブ解説過去記事まとめ Part62

はじめのご挨拶

皆さんこんにちは。

今回紹介するハーブは南国のフルーツおなじみパパイア。恐らく果実としてはよく知られているでしょうがハーブとしても利用することが可能です。

もう一つは甘くスパイシーな香りが特徴のキャラウェイです。料理のスパイスやハーブティーとして使われることが多いこのハーブ。

かなり古い時代から使われていてその歴史についても必見です。

Carica

カリカとよみ、南米原産の枝のない太い幹を持つ高木と低木合わせて22種が存在し、よく知られているのはC.papaya(カリカ・パパイア)で、皆さん実は学名で呼んでいたのです。かくいう私もパパイアは俗名だと思っていたので驚きでした。

C.papaya

 

洋ナシ型の果実と観賞用に栽培されている見た目にも食料にもなる植物です。

 

直径70cm以下の掌状に葉をつける常緑樹で、果長は45cmと大きくなります。果皮は非常にかたく、果肉はオレンジ色であり、真ん中の空洞には黒い種がぎっしりと詰まっているのが特徴です。

 

パパイアにはタンパク質を分解する酵素パパインという成分が含まれ、葉と種子に含まれています。また、アメリカ産のポウポウという植物やカスタードアップルにもタンパク質分解酵素を含んでいますが、パパインとはまた別の成分です。

通常なら果実を採るには雄株と雌株の両方が必要ですが、今日ではC.p”solo”のような雌雄同株の品種も存在します。

各種利用法

利用部位:葉・実・種子・樹液

料理

熟した実はデザートやサラダにして食べられており、種子にはクレスとマスタードを併せ持った香りを持ち、原産地である南国ではスパイスとして使われています。

しかし、種子には催吐作用があるため、大量に摂取するのはNGです。また、肉を軟らかくするために生の葉や種子が利用されることがあります。

薬用

酵素を豊富に含むハーブで、タンパク質の消化促進、腸内寄生虫の駆除作用や傷跡を薄くする効果があります。内服では消化機能不全に、外用ではぎょう虫や回虫などの寄生生物の駆虫に利用されます。

実用

酵素のパパインはチューインガムの製造、ビールの不純物の除去からシロアリの防止、ウールやシルクの縮れ防止など、生産から工業まで幅広く使われています。

栽培

日当たりが良く、湿り気のある肥沃な土壌と高温多湿を好みます。気温は最低13~18℃を維持しましょう。繁殖は24~30℃の真夏日が適しており、塾した実から種をとって蒔きましょう。

収穫

葉は必要に応じて摘み取り、種子は塾した実から採取し生で使用しましょう。酵素のパパインは主に樹液から採取し、乾燥させたものを薬品や工業で利用します。

歴史

コロンブスがアメリカ大陸を発見する前から栽培され、アジアに伝わったのは18世紀頃だと言われています。

Carumu Carvi

読み方:カルム・カルウィ

直立性の2年草で紡錘形の主根を持ち、茎の中は中空でありながら深い切れ込みのあるシダに似た葉を付けます。小さなピンクがかった白い舌状花が2~4cmの散形花序に咲かせ香りの良い長楕円形の実を結びます。種子の独特な風味は揮発性オイルの一種カルボンによるものです。

 

学名の由来は、現代トルコの南アディンと西ムーラーにあたる古代小アジアの地名カリアに因んでいます。

各種利用法

利用部位:葉・根・種子・オイル

料理

葉には穏やかな風味があり、ディルとパセリを併せ持った香りがし、スープの浮身やサラダに用いられます。また、根も野菜として食べられているようです。

種子はユダヤ料理やヨーロッパ北部、東部の料理に欠かせないもので、焼き菓子やパン(特にライ麦パン)、グヤーシュ(goulashu)、ザワークラウト、チーズ、リンゴ料理、リキュール(キャンメル)、蒸留酒の香味料として利用されています。ほかにも、砂糖で包んだコンフィッツやシュガープラムは消化剤にして食べられています。

ザワークラウト
グヤーシュ
キャンメル

ハーブティー

クセがなくやや甘い爽やかな香りがし、食後のティーとして飲めば口臭を防ぎ、食べ過ぎなどの腹痛を和らげる効果が期待できます。そのため食後にこのハーブの種子を噛むという習慣が残っているようです。

薬用

ツンとする芳香のある刺激性のハーブです。胃腸と子宮の鎮痙、去痰作用があります。

内服では消化不良、腸内ガスによる鼓腸、胃潰瘍、下痢、気管支炎、裂孔ヘルニア、気管支炎、月経痛、下痢、疝痛(特に子供の)に用いられ、外用では喉頭炎用のうがい薬、腹痛を緩和する緩下剤、その他消化管機能不全の薬の原料に使われています。

エネルギーとしての働き

まろやかな甘さが体に染み渡り、下、喉、食道へ穏やかな刺激を伴いながら流れます。エネルギーは胃のあたりでゆっくりと満たされ、胃腸に滞っている冷たく重い湿ったエネルギーをこのハーブのエネルギーによって取り除くようなイメージです。

栽培

日向の水はけの良い土地を好み、繁殖は春か秋に種子を蒔きましょう。また、寒冷地では春播きの種子が熟さないことがあるので注意しましょう。

セリ科の植物のため移植を嫌うので、種子をそのまま路地やプランターに直まきをしましょう。また、種子を取る場合には大株に成長する秋にまくのがオススメです。また、花はアブラムシをエサとする寄生ジガバチを引き寄せることがあります。

歴史

13世紀に入ってからヨーロッパで紹介されるまでは、5000年間中東で栽培されていました。また、かつては様々なハーブがキャラウェイに分類され、パセリやセロリなどがキャラウェイの仲間とされていました。

古代エジプトの医学書エーデルスパピルスにも登場し、アニス・コリアンダー・ガーリックの記載があり、古代ギリシアでは香油が病気の治療に使用されていました。

古代ローマ時代、ヨーロッパの各地を征服していたローマ軍の兵隊食にりようされ、時の皇帝ジュリアス・シーザーは「カラ(chara)」と呼んで珍重していました。また、世界の広がった要因として、紀元前3000年頃に実在した海運技術に優れた人々フェニキア人によってヨーロッパ諸国に運ばれたからだと言われています。

日本に到来したのは明治初期の頃で、当時大流行したカルルスせんべいというお菓子にキャラウェイシードが使われていました。

キャラウェイの言い伝え

キャラウェイシードには物を引き止める力があるとされており、家畜に食べさせれば行方不明にならないや夫婦や恋人同士でこの種子を食べれば長く添い遂げられるというロマンチックな言い伝えがあります。

中でも面白いのが、大切なものの中にキャラウェイシードを入れておけばなくさず、仮に盗まれそうになっても、盗んだ人は持ち主が現れるまで動けなくなるというなんとも荒唐無稽に思えるような説話も存在します。

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