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ハーブ解説 Part264

Guaicumとは?

西インド諸島とアメリカ大陸に原産に分布する植物でジャマイカの国花で和名はユウソウボクといいます。

木材の見た目と薬用で400年以上乱獲されてしまったため絶滅の危機に瀕しているハーブです。

学名はスペイン語のguayacoに由来し、西インド諸島に住んでいた原住民族タイノー族の呼び名に因みます。

次に生態についてご紹介。

ユウソウボクの生態

長さ9cmほどの羽状葉、つまり一つの枝に対となってつく形態のことです。

藍色の花が房状になって咲く低木で、花後はオレンジがかった黄色い実を結びます。

次にこの植物の使われ方や歴史について解説をします。

利用法

利用部位:樹脂・木部

薬効

具体的な作用は以下の通り。
・抹消循環の刺激
・組織の解毒作用
・発汗促進
・抗炎症
・利尿
・去痰

どのような症状に使われていたかというと、内用・外用ともにリューマチと関節炎の諸症状、痛風に有効。

実用

この木は水に浮かないため、プロペラの軸やボーリングの玉、彫刻に利用することが出来ます。

樹脂には強力な抗酸化作用があるノルジヒドログアイアレチン酸が含まれ石鹸や化粧品に使われます。

木部には20%の樹脂が含まれ、血痕を検出する試薬としての一面もあるのです。

他にもユウソウボクの供給は以下の品種が使われていました。
・G.sanctum
・Blunesia salmienti
・Blunesia arborea

歴史

1503年にこの植物をスペインがヨーロッパ向けて輸出をし取引を独占していました。

木材は美しい2色をしていることに加えて薬用副産物として価値が高く、香水の定着剤としても優秀。

南北北西部の原住民はこのハーブを開拓者が持ち込んだ梅毒に対抗するために使用しました。

この植物の薬効はジャマイカの開業医サー・ハンス・スロウン博士が発見したのです。

栽培&収穫

栽培品種で寒さに弱いです。

土壌は肥沃な砂地か繊維質を好み、最低気温は15℃を維持しましょう。

繁殖は春から夏の26℃頃に無傷の果実を蒔くか、春に半熟枝差しを行います。

苗と若木は地面に下ろすとうまく成長しないので大きさに合わせて植木鉢に植え替える工程をすると良いです。これを専門用語で鉢上げといいます。

木部を必要に応じて切り出し、砕くか削ったものを熱して樹脂を抽出します。これを煎じ薬やチンキ、抽出液に。

まとめ

  • ジャマイカの国花。
  • 梅毒対策に使われた。
  • 木部と樹脂が優秀。
  • その結果絶滅の危機に瀕す。
  • 育てるときは鉢上げを。

あとがき

今回の記事はいかがだったでしょうか?

この植物が水に浮かないとか国のシンボルとしての一面、さらには血液を識別するための試薬にもなる。

これだけ用途があると採りすぎてしまうのも仕方ないかもしれませんが悪手だと思いました。

ちなみに国によって法規制の対象となるので扱うときには十分気をつけましょう。

それではまた次回の記事で。

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Kemu
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