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ハーブ解説 Part370

今回解説するのは生け垣でよく使われるため一度は見たことがあろう植物“ツゲ”についてです。

Buxus Sempervirens

読み方:ブクス・センパーウィレンス

西ヨーロッパ、北米と中米、東アジアに分布するこの属は、耐寒性と非耐寒性の常緑灌木と小低木の30種類が存在します。

灰褐色の樹皮と艶のある卵型に近い長円形の葉を持ちます。春には蜜の香りがする花びらのない淡い緑色の花が咲きます。花後は三角の実に黒い種子が入っているのが特徴です。

各種利用法

利用部位:葉、樹皮、幹

薬用

強い香りの麻薬性のハーブで、マラリアの治療薬としてキニーネと肩を並べると言われています。

しかし、その毒性の高さから、今日ではハーブとして使われることは滅多になくなりました。

解熱、腸内寄生虫の駆除、抗リューマチ作用があるようですが、処方には危険が伴います。また、例外としてホメオパシー療法ではリューマチに使用されることがあります。

どの部分を食べても有毒で、過剰摂取をすると嘔吐、痙攣を引き起こし、最終的に死に至ります。また、触れるとアレルギー反応を起こすことがあるのです。

実用

印刷用の版木、製図用の道具、航海用器具、楽器に加工されるほか、特許製剤の養毛剤の成分によく使われています。

栽培

園芸品種で耐寒性があります。日向、半日陰で中性からアルカリ性の土壌を好みます。-23℃まで耐えることができますが、冬の気温はもっと高いほうが好ましいです。

生け垣にする場合は間隔を20cm空け、繁殖は挿し木で行います。挿し木用の土は、砂とピート、または代替物を混ぜたものを使います。

手入れは春の終わりに新芽の発芽を促進するために、短く切り詰める。装飾時の刈り込みは夏に行いましょう。

収穫

葉は春の始め、花のさく前に集めたものを乾燥させて成分抽出液に加工しましょう。樹皮は伐採したものから剥ぎ、乾燥させたものを煎じ薬に。

刈り込みすぎたり頻繁に切れ込みを入れると、先祖返りする傾向があるので、刈り込み過ぎには注意しましょう。葉には斑点病やさび病、若葉にはボックス・リーフ・サッカーに侵されることがあります。

その他の品種群

B.S”kingsville Dwarf”

読み方:ブクス・センパーウィレンス・キングスウィル ドワーフ

1年に1cmほどしか成長しないため、最大の大きさになるには時間がかかる品種です。

B.S”elegantissima”

読み方:ブクス・センパーウィレンス エレガンティッシマ

密生した成長の遅い品種で、小さい葉に不規則な白い点が付きます。基準種同様、雄花と雌花が同じ株に別々に咲きます。

B.S”Latiforia maculata”

読み方:ブクス・センパーウィレンス ラティフォリア マクラータ

こんもりとした姿となる灌木で、葉は比較的大きく、不規則な黄色いボカシ模様が入るのが特徴です。日当たりの良い場所で栽培すると、新芽は鮮やかな黄色となります。

B.S”suffruticosa”

読み方:ブクス・センパーウィレンス スッフルティコサ

小型の品種ですが中くらいの葉の大きさで、艶のある緑色になるのが特徴です。フォーマルガーデンの縁取りやトピアリー用に栽培されてきました。

Buxus
まとめ

観賞用として用いられていますがかつては薬用に用いられていた。現在では毒性が強いため使われていない模様。

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Kemu
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