今回解説するのは、サフランに似ていますが有毒植物であるイヌサフランです。
目次
Colchicum autumnale
読み方:コルキカム・アウトゥムナーレ
ヨーロッパや北アフリカ、西アジアや中国西部一帯に分布している球形の多年草です。長さ6cmになる球茎の多年草で、披針形の3~5本の細長い葉を付けます。ゴブレット型の花が晩夏から初秋に咲き、倒卵形の蒴果が付きます。
この品種はヨーロッパ全土からウクライナに生息しており、有毒性にも関わらず色とりどりな花を咲かせるため、花壇の縁取りやロックガーデンとして人気があります。また樹の下や湿った土壌でも栽培が可能です。
俗名の由来は黒海近くのグルジア地方にあるコルキスに因んで付けられます。
その他の品種
C.a var.album
白い花の品種。暗い草むらの後ろに植えることで映える。
C.a “pleniflorum”
基準種に似ているが15~30本の細い花弁を持つ八重咲きの品種です。花期は長いですが花が重く雨に弱いです。
各種利用法
薬用
アクのある苦いハーブです。痛みの緩和、消炎作用があり急性の痛風やベーチェット症候群、家族性の地中海熱、固皮症に使用されます。ホメオパシーでは関節痛、下痢、湿気の多い天候による吐き気に利用されます。
この植物に含まれるアルカロイドの一種で、痛風の治療薬として使われています。また細胞分裂を抑制する作用があるため、植物の交配や遺伝子研究で利用されます。
過剰摂取は下痢や胃痛を引き起こし、心臓を傷める作用があります。胎児の奇形の原因となることがあり妊娠中、また腎臓疾患の患者への投与は禁忌です。さらに長期の使用は脱毛、血液異常、筋肉痛、衰弱、手足の刺痛の引き金となります。
栽培
園芸品種で耐寒性があります。日向、半日陰の水はけの良い湿った土壌を好みます。繁殖は秋に種を蒔く科夏に球根を分けて増やしましょう。ただし種から育てる場合は発芽まで約18ヶ月かかるので気をつけましょう。
歴史
古代ギリシャ時代では痛風、喘息、水腫、腎機能不全の治療にこの植物がほんの少し使われた。この処方は1763年にアントン・ホン・ストークという科学者によって評価されたことから、それ以降痛風の標準的な治療薬となりました。
あとがき
今回はイヌサフランについて解説しました。
有毒植物であることは知っていましたが、こんなに美しい花を咲かせるということや毒となる成分が痛風の治療に役立っているということを知り、物事は一面だけでなく多面的にいろんな角度から見て判断しないとダメなのかなと思いました。
これからのブログの方針なんですが、今まで2,3種類ずつ紹介していたものをしばらく1種類ずつにしていこうと思います。ある資格を取るために勉強時間を確保することが理由です。内容がまた薄くなってしまって大変恐縮なんですが、ご了承の程をよろしくおねがいします。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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