ハーブ一覧

ハーブ解説 Part215

今回はフランシス・ドレイク号の船長がもたらしたdrimisとかつて殺鼠剤に利用されていたdrimiaの2種類について解説をします。

Drimis winteri

読み方:ドゥリミス

円錐形の高木或いは低木、長円形ないしは皮針形の艶のある先の尖った葉は長さ15cm程です。春の終わりから初夏にかけて香りの良い星型の花が咲きます。約40種がメキシコ、マレー半島、オーストラリアに分布しており、この品種はチリとアルゼンチンが原産で、この属の中では唯一栽培されています。また一般的には知られていませんが、シナモンと同じような働きがあります。

このハーブが薬用として述べているのはサー・フランシス・ドレイクドレイク号の船長、ジョン・ウィンターで、1578年に南米からヨーロッパに持ち込みました。これは長い航海によるビタミンCの欠乏によって起こる壊血病に有効とされていましたが、現在ではこの目的での使用はなくなりました。

各種利用法

利用部位:樹皮

薬用

苦い強壮性と刺激性のあるハーブで、消化促進作用があります。香りは菖蒲に似ており、消化不良と疝痛に内服します。

栽培

園芸品種で耐霜性があります。日向または半日陰の水はけの良い肥沃な湿った土壌を好みます。寒い場所では壁などに保護された場所が必要です。繁殖は秋に種をまくか、夏に半熟枝挿しをします。樹皮は秋と冬に枝から剥がして乾燥させたものを粉末や成分抽出液に加工します。

Drimia maritima

読み方:ドゥリミア

シーオニオンと呼ばれるこのハーブは地中海沿岸地域とポルトガルに分布しており、球根性の多年草が約100種が海岸の砂地や岩がちな土地に自生してます。商業利用の為に広く栽培されているほか観賞用の庭植物としても人気があります。

ここで取り上げるDrimia miritimaは直径15cmの球根をもつ逞しい多年草です。肉厚の青みがかった葉はおよそ1mに達し、花が枯れたあとに小さな星型の花が密集して咲きます。花はフォックステールリリーに似ている印象的な形で、夏季の乾燥した場所では簡単に栽培できますが、北方地方では咲きません。

英語名ではSuquill(スキル)と呼ばれ、薬品製造を目的にエジプトやトルコといった地中海沿岸で栽培され、業界ではホワイトとレッドの2種が存在し、生産地域によって異なりますがどちらも似たような成分を持ちます。

この植物のスキロサイドという成分は殺鼠剤の原料となり、レッドにのみ含まれています。この成分は特定のげっ歯類にのみ有効でそれ以外の動物に与えると嘔吐を引き起こします。もう一種類の成分スキラニンという成分も殺鼠剤の原料となり、Drimia.indica(インディアン・スキル)は古代ローマの軍医ディオス・コリデスの記述にも登場し、”スキルヴィネガー調剤”として用いられることが多かったようです。

各種利用方法

利用部位:球根

薬用

苦くアクがある毒性の強いハーブで利尿、去痰、心臓の刺激、頭皮の強壮作用があります。気管支炎、気管支喘息、百日咳、水腫に内服します。過剰摂取は嘔吐を引き起こすため有資格者のみが扱いましょう。外用としてフケ症や脂症に有効です。

実用

抽出液は咳止めの混合液、ヘアトニックに加えます。何度も書いていますが殺鼠剤の原料として利用されてきた歴史があります。

栽培

園芸用の品種で半耐寒性または耐霜性があります。日向ですぐに水の切れる砂質或いは石混じりの土地を好み、最低気温は-7℃です。球根の頭が少し出るように植え、繁殖は秋に種をまくか休眠期に株分けをします。

球根は6年経ったものを収穫し、夏の終わりに掘り上げます。横にスライスしたものを乾燥させて成分抽出液やチンキ、スキルヴィネガーに加工します。

あとがき

今回はシーオニオンとドゥリミスの2種類について解説をしました。

シーオニオンというハーブは初めて知ったとき、殺鼠剤として利用されたり、頭皮の強壮作用があったり、オニオンと名前がついても全く関係なかったりと知らないハーブが沢山あるんだなと思い、まだまだ勉強不足だということを身に沁みて感じ、これまで以上に頑張りたいという気持ちが強くなりました。

ドゥリミスはフランシス・ドレイク号と縁があるなんて露程も知らず、ハーブの歴史は本当に興味深く、自分の知識不足が恨めしくもこれから色々知れると思いました。

シーオニオンの花言葉は「純血」「純白」を意味し、まさかこの花にこんなおしゃれな意味があるとは知らず、植物の世界は本当に奥深く不思議な世界であることを改めて思い知りました。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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