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ハーブ解説 Part237

今回は、水生植物であるハスの仲間でも最大級の大きさに成長するオニバスについて解説していきたいと思います。

Euryale ferox

読み方:エウリアレ・フォレクス

直径が1.5mまで成長する大型の水生植物で、丸い盾型の葉は上面に皺がよって棘があり、下の面は赤紫色になるのが特徴です。夏に水面や水面下に紫色の花が咲きます。

オニバス科の植物はこの品種のみからなる属で、北インド、中国、日本、台湾などの深い静かで動きが流れのゆっくりな場所や池などに生息しています。

オニバスは熱帯の池で観賞用に栽培されることが多いですが、中国では種子を炒って食べられており、食用として種子を取るために3000年前から栽培されているようです。また、ヒンドゥー教のアーユルヴェーダでは紀元前1600年頃から薬用に利用さており、「makhanna」という名前で知られています。

学名の由来はギリシャ神話に登場するゴルゴーン3姉妹の一柱エウリュアレに因んで命名されました。また、英名の「フォックスナッツ」は直径7cmの棘だらけな果実の中にある柔らかな果肉、それに包まれている黒い豆粒のような種子に由来しています。

利用部位:種子

薬用

甘酸っぱい収斂性のハーブで、脾臓や腎臓に対して強壮作用があります。慢性の下痢、膣のおりもの、頻尿、勃起不全、不随意射精、早漏、夜間尿などに伴う腎機能の低下に内服します。

栽培

園芸品種で非耐寒性の多年草と言われていますが、一年草としても扱われることもあるようです。日当たりが良く、流れのほとんど無い水深6cm以上の肥沃な泥を好み、最低気温は5℃以上を維持しましょう。繁殖は春に種を撒きますが、温室で栽培されているものは滅多に種子を形成しません。収穫は秋に種を集めて乾燥させたものを煎じ薬に加工します。

あとがき

今回はオニバスについて掘り下げてみました。

この植物も名前だけ知っていましたが、中国では食用で古くから栽培されていることや、アーユルヴェーダでは既に薬用として使われていて脾臓や腎臓に対して効果があるということなど、知らないことを知れて大変勉強になりました。

野生のオニバスは外来種のザリガニに食べられてしまって絶滅が心配されているという事を聞いたことがあるので、貴重なこの植物が絶滅してしまわないか心配です。

花言葉は「神秘的」といわれており、この植物の特性を表しているのかもしれませんね。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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