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ハーブ解説 Part187

今回解説するハーブは南米アマゾンなどに自生する常緑樹で、爽やかな木の香りがする樹脂を産出するコパイバという植物です。

Copaifera

読み方:コパイフェラ コパイフェラ属 マメ科 英名:copaiva

35~40種存在する常緑樹で、原産は熱帯アメリカやアフリカなどの暖かい地域です。最も豊富に採れる天然香料はコパイバ・バルサムという品種で、その他にも幾つかの品種からオレオ樹脂が取ることができ、C.guyanensis(コパイバ・グヤネンシス)、C.martii(コパイバ・マーチー)、C.offichinaris(コパイバ・オフィキナリス)、C.reticulata(コパイバ・レティクラータ)、C.multijuga(コパイバ・ムルティユガ)、C.landolffii(コパイバ・ランドルフフィ)などからも樹脂を取ることが可能です。

品種ごとに香りが全く異なり、例えばC.reticulata(コパイバ・レティクラータ)は香りも味もイマイチですが、C.multijuga(コパイバ・ムルティユガ)は素晴らしい香りで、香水などにも利用されることがあります。中でもコパイバ・バルサムには30~90%の揮発性オイルと濃縮されたタンニンを含んでおり、幹に穴を開けて一本あたり55㍑の樹液を採ることが可能です。

コパイフェラの名は北米先住民族のホピ族がこの植物の気と樹脂を指すCopaiに由来します。

各種利用法

利用部位:オレオ樹脂

薬用

芳香、殺菌性のハーブで、苦い焼け付くような味がします。消化機能の改善、利尿、去痰、最近感染予防作用があり、膀胱炎や気管支炎、膣のおりもの、淋病に内服することが出来ます。外用では組織の損傷を修復するとともに皮膚の潤いを保ち、皮膚の雑菌繁殖を抑制する作用があります。主にブーキューやビャクダンと合わせて使用することが多いです。

過剰摂取は下痢を引き起こし皮膚の発疹や腎臓を傷める作用があるので注意をしましょう。

香りの効能

バルサム系の香りは大地とのつながりを回復し、森林浴効果により散漫な気持ちやストレスを感じているときに役立ちます。また実用的な例としてウッディー系、スパイシー系、ヴァイオレット調の香水の定着剤として重要であり、ワニスやラッカーなどの原料であるコーパルという物質の主原料であり、この植物の樹脂をそのままジーゼルオイルとして利用することも可能です。

栽培

栽培品種で非耐寒性の植物です。日陰で水はけの良い砂質で高湿度の環境を好み、最低気温は13~15℃を維持しましょう。現在では新しょう挿しが商業規模で行われています。

樹脂は幹に空けた穴から一定期間置いて採取し、(空けた穴は塞いで)成分抽出液やオイルを蒸留します。

原産地での使われ方

アマゾンではヒーラーとクランデロ(土着の男性呪術医)によって用いられ、内部(潰瘍やガン)、外部の痛みや炎症にコパイバの樹脂を利用します。ペルーの伝統医学では蜂蜜小さじ1杯に樹脂を3~4滴混ぜたものが、喉の痛み用の薬として利用される。

ペルーやブラジルなどの漢方では抗炎症及び尿路、尿の問題から梅毒、破傷風、気管支炎、結核の治療に使われています。特にブラジルではうがい薬などに利用される強力な防腐去痰薬として重要視されており、人気の家庭常備薬でもあります。

あとがき

今回はコパイバについて解説をしました。

コパイバは私もよくマッサージオイルやアロマディフューザーにいれて使うお気に入りの精油の一つで、効能はなんとなく理解はしていましたが現地では常備薬として利用されているとは知らず、使い方を知るにはまず現地でどのように扱われているかを知るのが使いかたのヒントになるのではないかなと思いました。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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