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ハーブ解説 Part24 リンデン

今回は、沢山の用途があるリンデンについて解説します。

特徴

別名「千の用途を持つ木」とも呼ばれ、あらゆる部位が利用できる木です。

高さ約10~30メートルまで成長し、ハート型の葉とクリーム色の花を付けます。

木部の色合いと軽さから彫刻や楽器、さらに樹皮から取れる繊維は衣類やロープ、漁の網に使われています。

主な成分と作用

フラボノイド

簡単に言うと植物の色素の一種で、主に紫外線から守るフィルターのような役割をしています。

心臓や循環器系に作用し、毛細血管を丈夫にする効果が実験で証明され、特に環境面でのストレスを防ぐことから、しばしば”生物ストレス緩和剤”と呼ばれています。

学名:Tilla×europaea

読み方:ティラ エウロピア
Tillaは古いラテン語でPtlion「翼」を意味し、europaeaは「ヨーロッパの」を表し、あわせてヨーロッパにある翼に似た木という語感になります。。

歴史

ヨーロッパ

ヨーロッパでは街路樹として植えられ、初夏に咲く花の香りが街中を包みます。また、蜜源植物としても知られています。

各世界の神話

ギリシア神話

旅人に身を変えた主神ゼウスとその息子は、ある村で信心深い夫婦に迎えられました。その恩に報いるために願い事を聞き、夫婦は「死ぬときも二人一緒に」という願いを聞き入れ、夫婦の死後、リンデンとカシになり、丘の上にそびえ立ったという逸話があります。ギリシャ神話では珍しくロマンチックでハッピーエンドなお話ですね。

釈迦とリンデン

釈迦が樹の下で悟りを開いたという逸話のモデルが、クワ科のインドボダイジュという木です。

利用法

料理

リキュールの香り付けや、焼き菓子に乾燥させたものを混ぜ込むと、ほのかな香りを楽しめます。

ハーブティー

花と木の両方がティーとして利用でき、それぞれ薬効が変わります。

リンデンフラワー

精神的なストレスを緩和し、イライラや緊張、不安で眠れない時に飲むと気持ちを落ち着けられます。

リンデンウッドティー

優れた利尿作用があり、体の中の水分を排出するほか、老廃物も同様に排出してくれるので、むくみ改善に役立ちます。

クラフト

  • ポプリに利用できます。
  • 乾燥させた花を入浴剤として使うと、高いリラックス効果が期待できます。

あとがき

今回はリンデンについて解説しました。

かつてリンデンの木材を利用し、古代アングロサクソン族はその性質を利用して丸みを帯びた盾を作ったとされ、さらにフランスの作家マルセル・プルーストが書いた小説、「失われた記憶を求めて」にも登場するなど、人と植物は切っても切れない関係であることが伺えますね。

今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。これからも拙い記事ではありますが続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

著:白鴉マキト

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Kemu
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