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ハーブ解説 Part384

今回は“Ceiba”。カポックとも呼ばれるこの植物をご紹介。

Ceiba pentandura
生態

読み方:ケイバ・ペンタンドゥラ

落葉性の大高木でこの品種を含む4種類が熱帯アメリカに分布しています。

幹の基部が板状に張り出す根板に支えられ、広く張る枝には手のひら状の葉が付き、黄色やピンク、白といった色とりどりの花を咲かせます。

コウモリによって受粉し、長さ10~30cmの棘に覆われた果実は絹のようなクリーム色の繊維の中に種子が入っています。

アフリカや西インド諸島では霊の宿る木として敬われているのです。

各種利用法

料理

種子そのものは人にとって有毒ですが、食用オイルが採取可能です。

薬用

収斂、利尿性のハーブで、解熱、鎮痙、出血防止作用があります。

主な使い方として、子宮の不正出血、赤痢、下痢にはゴムが内服で使われ、気管支の充血に樹皮と葉が用いられます。また、外傷には樹皮を湿布薬にすることが可能です。

原産地では薬用に利用していますが、現在の化学を持ってしてもその性質はよく分かっていないようです。

実用

種子を包んでいる綿はカポック繊維と呼ばれ、綿の8倍軽く、音を通さない性質を持っています。

そのため防音材や安全ベルトの材料として利用されています。

さらに種子は家畜用の濃縮飼料に使われます。

栽培

栽培品種で非耐寒性です。

日向の水はけの良い肥沃で根が深く張ることが出来る環境を好みます。

管理するときの最低温度は15℃で、風に当たると傷んでしまうので気をつけましょう。

一本の木に年間300~400子ほどの実がなり、20cmの繊維が取れます。

木を植えてから5年経つと、60年間は収穫が続けられると言われています。

繁殖は種子が熟したらまくか、夏に半熟枝挿しを行いましょう。

熱帯地方では長さ1.2~2mの枝を路地に挿す「さしくい」という方法で増やしています。

あるいは間隔を詰めて胡椒などの支柱として利用することもあるようです。

収穫

葉は生長期に摘み取り、生か乾燥させたものを成分抽出液、湿布薬にしましょう。木は乾季(現地では精霊のいない時期)に切り、剥いだ樹皮を煎じ薬に加工します。ゴムは乾季が終わる頃、若木に切れ目を入れることで採集ができます。

あとがき

今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。

これからも更新を続けるのでどうか応援して下さるとです。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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@けむさん
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社

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Kemu
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