Part454~Part460

ハーブ解説 Part454 ソロモンズシール

今回はソロモンズシールと呼ばれるアマドコロ科のハーブについて解説します。

ソロモンズシール
基本情報

地下茎を持つ多年草30種が存在し、ヨーロッパ、アジア、アメリカ北部に分布。

弓なりの茎と下に垂れ下がる花の様子から、切り花として人気が高く、特にボタンとの組み合わせが映える。

属名はギリシャ語のPolys(多い)とGoun(膝関節)が語源で、地下茎の結合節に因んでいる。

ソロモンシール
品種群

学名:Polygonathum odorata
英名:angled solomon’s seal
科名:ユリ科

地下茎を持つ多年草で、茎は斜めに弓なりになり、10cmの葉は葉柄がなく、先端の尖った卵型をしている。

初夏には約2cmの芳香がある先端が緑がかった白い花を咲かせる。

学名:Polygonathum odorata ‘Variegathum’

葉に白い縞模様が入った園芸品種。葉の裏側にある葉腋に咲くのが特徴。花後は直径6mm程度の球状の青紫色の果実をつける。

ソロモンズシール
各種利用法

利用部位=根茎(生薬名:玉竹)

苦みと甘みを併せ持つ収斂、強壮性のハーブで、
・去痰
・消炎
・解毒
などの作用があり刺激、損傷を受けた部位を慰撫する効果がある。

薬用品種としてPolygonathum odorataよりもP.murtiflorumを挙げる資料もあるが、どちらも野生のものは稀。

栽培品種もP.odorataとP.murtiflorumの交雑種が殆どのため、成分の違いはあまりない。

薬用

中国漢方では
・心臓疾患
・肺結核
・空咳
・糖尿病による喉の渇き
・体液分泌促進
などの症状に内服する。

西欧の本草学では咳、胃炎に内服し、外用では
・打撲
・鼻の骨折
・内痔核
・裂傷
・脱臼
に使用する。

ヒンドゥー教アーユルヴェーダではashtavargaで知られる八根薬(ほとんどがユリ科)の一つで、
・不妊
・乳分泌不足
・慢性の消耗性疾患
・腎機能不全による出血性疾患
に使用される。

強壮剤としては温めたミルクとギーに混ぜて使う。

栽培と収穫

栽培

日向か半日陰を好む園芸用品種で、耐寒性がある。水はけのよい腐植土が豊富な広いスペースに植えるとよい。

繁殖は秋に種をまくか春に株分けをする。葉バチの幼虫が葉につくことがある。

収穫

根茎は秋に掘り上げ、生のものをチンキ、軟膏に加工する。または乾燥させたものを煎じ薬、粉末に。

すべての部位に毒があり、特に果実は有毒。

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