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ハーブ解説 Part126

今回は過去記事のリメイク版で、お茶や料理、香料として活躍する、レモンバーベナについて紹介します。

Aloysia citridora

読み方:アロイシア・シトゥリドーラ

特徴

アルゼンチンやチリの温帯が原産の落葉または常緑性の低木で、約37種類が南北アメリカに分布しています。レモンのような香りが大きな特徴で、日本では大きくなっても90cm~1.2mですが、原産地だと高さと幅が3mと大型になるのです。葉はザラザラとした食感の披針形で、初夏から夏にかけて白色から紫色の花を付けます。

各種利用法

料理

刻んだ葉を香り付けに使用することで料理をワンランク上げてくれます。基本的にどの料理でも合いますが、特に淡白な鶏肉料理や魚料理との相性が良いです。新鮮な若葉をサラダに加えるのも良いでしょう。また、焼き菓子に加えればレモンの香りがして、爽やかさを演出してくれます。

ハーブティー

このハーブで淹れたティーはイライラや緊張といった神経が高ぶった時に飲むことで、落ち着きを取り戻し、リラックスすることができ、頭痛や吐き気を和らげる事が可能です。また、レモンバーベナは秋になるにつれて香りが良くなるため、お茶にするときには秋に採取したものがオススメです。

フランスでは食後に出されるお茶として人気があり、Vervein(バーベイン)として親しまれており、食後の消化薬としてカフェやレストランで出されていました。

レモンバーベナの使い分け

料理に使う場合は夏にとれる新鮮なものを、お茶やクラフトに利用する場合は秋に採れる固い葉を使うと良いでしょう。

実用

ドライにしても香りが飛びにくいことから香水や石鹸、化粧品の香料からポプリ、サシェなどに加工されます。また、キャンドルワックスに溶かし、中に入れることで香りを楽しむこともできます。

eau’de’verveine

かつて生産されていたシトラス系オーデコロン、オードゥベルベインは、皮膚に触れると過敏症を引き起こすとして生産が中止という悲しみを背負った香水です。

栽培

霜に強いですが寒さには弱いというちょっと矛盾しているようですが、冬場は屋内に取り込むのが良いでしょう。日向で水捌けがよく脆い土壌を好みます。繁殖は気温が18度の頃に挿し木で増やすことが可能です。手入れは初夏に枯れたものを取り除き、脇芽を2~3本残して切り戻しましょう。株が古い場合は主茎を30cm残します。

歴史

古代ペルー人達は標高の高いアンデス山脈に適応するために、このハーブティーを常飲していたそうです。また、長生きの村として知られるエクアドルのビルカバンバの人々が愛飲していたのもレモンバーベナティーです。

1784年頃にスペイン人によって南米からチリに広まり、庭園用の植物として好まれていました。また、指を洗うフィンガーボウルに使われるのもこのハーブです。

日本に入ってきたのは大正時代の頃で、観賞用として栽培されていました。その後明治時代に入り、コレラが流行した際に、植物学者牧野富太郎著作の「牧野新日本植物図鑑」には、コレラを防ぐ防臭木という名前で販売されていたことが記録に残っています。

語源

Aloysia=1819年に没したイタリアパルマ王国の王女、「Maria Loisa(マリア・ルイサ)」に因みます。

citridora=レモンのようなという意味です。

あとがき

今回はレモンバーベナについて解説をしました。

このハーブは私の好きなハーブの一つでもあり、この魅力は実際に栽培し、加工して、その魅力をぜひとも体感してほしいです。うまく行かなくてイライラしていた時に助けてもらったハーブなので、思い入れが深いハーブです。

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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

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