今回紹介するハーブは、母の日でお馴染みのカーネションにです。
目次
Dianthus caryophyllus
耐寒性、半耐寒性の常緑、半常緑の一年草、多年草がユーラシアから南アフリカに約300種類自生しており、ここでは観賞用と薬用で利用する代表的な2種類を解説します。
Dianthus Carypohyllus
読み方:ディアントゥス・カリフィルス
常緑の多年草で、四角い茎に披針形のグレーグリーンの葉がつく品種で、母の日に贈られることが多く、その花の美しさとクローブに似た香りがすることから昔から栽培されていました。開花時期は夏で、濃いピンク色から紫色まで色とりどりの小さな花が集散花序に咲きます。
この植物の属名である”Car-nation”は戴冠式の”Coronation”と同じ語源で、古代ギリシャの祝典のときに花かんむりとして使われたことに由来します。
Dianthus chinensis
ディアントゥス・キネンシス
アルカリ性の土壌を好む花壇向きの植物です。中国では現在でも広く薬用に使われていますが、ヨーロッパでは廃れてしまいました。近縁種のカワラナデシコという品種も漢方薬として利用されています。
各種利用法
Dianthus Carypohyllus
利用部位:花・オイル
実用
頭花は乾燥させてドライフラワーとして利用できるほか、ポットポプリ、リキュールやシロップ、酢の香味料、抽出したオイルは化粧品に利用されるなど、意外にも用途が広いです。また、新鮮な花はサラダに入れてエディブルフラワーとしても利用することが出来ます。
薬用
かつては強壮薬、強心剤に利用されていましたが、今日では薬用として使われることは廃れてしまいました。
歴史
クローブカーネーションが書物に登場するのは、漢の時代に書かれた中国漢方書で、その後1705年に学名のDianthus Carypohyllusとして中国からパリへ送られました。
Dianthus chinensis
利用部位:全部位
薬用
苦い強壮性のハーブで消化管系、泌尿器系の刺激、血糖値降下、解熱、気管支感染予防作用があり、特に急性の尿路感染症(特に膀胱炎)、尿路結石、便秘、無月経に内服されます。また中国漢方では外用で皮膚の炎症と腫れに使用されているようです。
栽培
園芸用品種で耐寒性があります。日当たりと水捌けの良い中性、アルカリ性の土地を好み、繁殖は春に挿し木をするか夏に取り木をすることで増やすことが可能です。
多くの病害虫に侵されやすく、特に屋内ではボトリチス菌、フサリウム及びヴァティリシウム枯れ病、うどん粉病、茎と葉の腐れ病がでやすい。
あとがき
今回はカーネーションについて解説をしました。
カーネーションは母の日に贈るものという印象が強かったですが、実際には食用や薬用に出来るという一面を知ることが出来ました。別名もクローブ・カーネーションというちゃんと嗅いだことがなかったので機会があれば育てて実際に香りを確かめてみたいと思いました。
花言葉は「愛情」、「魅惑、魅力」、「愛」、「無垢で深い愛」なのですが花の色ごとに全く違い、面白かったのでご紹介します。
赤=「母への愛」
白=「純粋なあい」、「私の愛は生きています」
ピンク=「女性の愛」、「熱愛」、「美しい仕草」
黄色=「軽蔑」
紫=「誇り」、「気品」
青=「永遠の幸福」
もっと詳しく知りたい方は以下のサイトに花言葉に加えて詳細なカーネーションの歴史も載っているので是非とも読んでいただきたいです。
https://hananokotoba.com/carnation/
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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
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