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ハーブ解説 Part153

今回解説するのは、各国で規制の対象となっていますが薬理作用は認められているオオアサです。

Cnnabis Sativa
生態

読み方:カンナビス・サティウァ

中央アジアが原産の背の高い一年草です。この品種はヘンプと呼ばれ、主に繊維として利用されていますが、亜種のマリファナは薬として利用されています。

茎が直立して枝分かれする主根の長いハーブで大抵の土壌、特に窒素分の多い土では雑草として扱われています。

手のひら状の葉は強く香り、夏には雄花と雌花別の株に緑色の花が円錐花序に咲きます。

学名のCnnabisは「アサ」を語源とするギリシャ語に由来し、その後登場した「キャンバス」という言葉は、麻の繊維に因んでいます。

変異種ではこの品種と精油、科学化合物を多く含むC.s subsp indicaいわゆるマリファナが栽培されています。

Cnnabis Sativa
各種利用法

利用部位:ヘンプ=全草 マリファナ=花頭・種子

薬用

マリファナには鎮痛、抗嘔吐、抗炎症、鎮静作用があり、緩下剤、血圧降下剤としても働きます。ガンの化学療法による吐き気や嘔吐、緑内障による眼圧の低下、AIDS患者の体重増加に内服され、外用では魚の目や静脈瘤潰瘍に使用されます。

中国漢方では火馬仁(フォーマレン)と呼ばれ、衰弱、体液欠乏による便秘の治療薬に利用されるのです。

マリファナの副作用

C.s subsp indicaことマリファナには「Δ-テトラヒドロカンナビノール(THC)」という成分が含まれており、カンナビノイドという麻特有の化合物グループに分類されます。

この成分の特徴として素早く吸収されますがゆっくり排出されるという特徴があり、薬理作用は薬用の欄に書いてあるので省かせていただきます。

しかし、副作用として精神的な依存性、記憶障害や事実を確認する過程での混乱、不妊症につながるので、数多くの国で使用も所持も規制の対象となっており、特に西欧諸国、オーストラリア、ニュージーランドでは特に厳しく規制されています。

THCの作用

背骨や脊柱状の痛覚消失を引き起こし、オピノイド(アヘンに似た合成麻薬)と一緒に摂取すると、相乗効果で強力な鎮痛作用が発生します。

具体的に解説すると、カンナビノイドがγアミノ酪酸(神経伝達物質の一種)活性化によるシナプス伝導を抑制し、オピノイドがシナプス後部のニューロンの働きを抑えるためです。

簡単に言ってしまえば、2つの化合物が神経伝達と神経細胞そのものの働きを抑え込んでしまうため、痛みを感じる機能が無くなるということです。

実用

ヘンプの繊維はロープの材料に、種子にはオメガ三系脂肪酸のα-リノレン酸が約20%、オメガ6系脂肪酸のγリノレン酸が約60%を1:3とバランス良く含んでいるため、生活習慣病やアレルギー体質の改善に効果が期待できます。

栽培

麻類の栽培及び収穫、加工は多くの国で法規制の対象となっています。麻薬成分が全く無いか、あっても低い繊維生産用に認定された品種は、生産国で資格を取れば栽培が可能です。

歴史

アサ属はアジアや中東では4000年以上も前に栽培され、治療薬としての記述は、1000年以上前の医薬処方書や5世紀頃の中国本草書に記録が残っています。また、中東では合法で社会的にも認められているようです。

3000年前に黒海の北側に住んでいた先住民族スキタイ人は、熱した石に大麻を押し当て、麻酔性の蒸気を作っていたとされています。

ヴィクトリア王朝時代の園芸手引書には夏花壇を彩る上品な「点景用の植物」とさてていました。また、ジョン・ジェラードはマリファナのことを「インディアンドリーマー」と呼んでいました。

マリファナの俗称

・hesheeshu(ハシシュ)=雌株の樹皮で、水煙管で吸います。

・Charas(チャラス)=樹脂タイプでタバコと一緒に吸うか、スパイスと一緒に食します。

・bhang(バング)=乾燥させた草で、水や果物、キャンディーに混ぜます。

・ganja(ガンジャ)=雌株の頂点を乾燥させたものです。

あとがき

今回はアサについて解説をしました。

麻=マリファナと思う方が大半でしょうが、ヘンプというのも存在し、麻やロープの原料となっていること、そしてマリファナの恐ろしさについて理解をしていただければ幸いです。

マリファナに限らず、植物には簡単に人を殺してしまうような危険な代物がたくさんあるため、ハーブを扱うときには薬品を扱うときと同じような心持ちで利用する人が増えるよう願っています。

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それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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