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ハーブ解説 Part277

あのアルコール飲料に欠かせない材料
オオムギ、水、あとはなんでしょう?

もうここまで言えば分かりますよね?そう、ホップです。

仕事終わりの一杯や飲み会の最初で必ず頼むビールを作るのに欠かせない植物。

ですがビールの材料となるだけでなくハーブとしても優秀なのです。

詳しくは後述しますが枕に入れるだけで安眠できたり、料理にだって使うことができる一面もあります。

まずはホップがどういった植物なのかを解説。

ホップの生態

Humulus lupulus

主に北半球に生息し、ヨーロッパや西アジア、北米などで見られる。

茎が木にならない草本性のつる植物で葉の大きさは15cm程度。

切れ込みによって3~5枚に分かれ、葉の縁が粗いノコギリ状なのが特徴です。

小さく丸い雄花は枝分かれした房状に、雌花は柔らかな黄緑色をした苞の下に咲かせます。

雄花
雌花
学名の由来

Humusはラテン語で「大地」を表し「lipulus」は小さな狼という意味。

lupulusは他の植物に絡みついて害を与えることに因みます。

ホップの
意外すぎる用途

利用部位:葉・若芽・雌花・オイル

料理の材料としてのホップ

天ぷらもあり

若い芽をアスパラガスのようにして食べることができる。また、シェリー酒に浸けると食前酒に早変わり。

雌花を発酵させればパン酵母になり、そこに生姜やレモンを加えることでシロップやドリンクにもなる。

ハーブティーに使う場合は苦味が強いので他のハーブとのブレンドを。

香料としてのホップ

こんな使われ方も

乾燥させたものを枕に入れることで精油成分が揮発して嗅覚を通り、脳に作用するため安眠が期待できる。

水仙やシダを使ったタイプの香水に使われます。

他にも抽出された液は香味料やソフトドリンクに利用。

ホップの類まれなる薬効

薬効植物としても優秀

結論から言うと主成分は苦味樹脂複合体のルプロンフムロンという成分で鎮静作用のもとでもあります。

また精油成分も含み、なんと100種以上の化合物を含んでいます。

そんな意外性のあるホップの作用は以下の通り。
・健胃 ・抗細菌
・利尿 ・消化促進
・鎮痛 ・ホルモン様作用
・鎮痙

効能は不眠、不安、過敏症神経性の胃腸炎(PMS)といった症状から持続性勃起症、早漏などにも内服。

外用では以下の病状に使うことも可能です。
・湿疹
・ヘルペス
・下腿潰瘍
・皮膚の感染症

最近の研究ではホップの抽出物が消化管の筋肉を緩める作用があることが判明しました。

その結果以下の症状を和らげるのに効果が期待できます。
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍

ブレンド例

神経性胃腸炎
ローマンカモミールと。

鎮静剤として利用する場合はヴァレリアンと合わせて使います。

緊張やイライラなどの神経のざわつくようなメンタルには
パッションフラワースカルキャップと一緒に利用できます。

うつ病にかかったことのある人に対しての使用は禁忌。

特に女性が収穫する場合は注意が必要です。

その理由は手から精油成分が吸収される恐れがあるため。

なので月経不順や月経停止作用を引き起こす可能性が。

エネルギーとしての働き
英国流メディカルハーブ 123頁

最初は舌と喉の奥に苦味が広がり、喉元を過ぎたと同時に、頭が感じていた熱やのぼせ、ふわふわと漂っている気がすっと一気に鎮まって降りてくる気がします。

そしてエネルギーはゆっくりと体内器官、特に胃腸と肝臓、生殖器、泌尿器などへ広がり、必要があれば体液の流れを刺激しながら緊張で張り詰めた筋肉や神経を緩めていきます。

ホップ
栽培と収穫のポイント

用途があるのは雌花。雄花は残念ながらない。

栽培のポイントは以下の通り
・寒さには強い
・日向か半日陰でOK
・繁殖は雌株のみを挿芽する
・水はけの良い湿った土壌を好む

花は秋に摘み取り、生か乾燥させたものを以下のように加工。若芽は春に採って食用に。
●蒸留してオイル
●成分浸出液
●成分抽出液
●チンキ

警告
皮膚につくとアレルギーを引き起こす恐れがあり

ホップとビールの
歴史的な雑学

ドイツと言えばビール

ここではビールにホップが使われるまでの話をしましょう。

古くはエジプト時代では薬として、ローマ時代から醸造にホップは使われていましたが本格的に使われるのはもっと後の時代。

ホップ栽培が一番最初に行われたのは736年ドイツバイエルン地方のハラタウ地域。

その後1516年、バイエルン公ヴィルヘルム4世によって『ビール純粋令』が交付され、オオムギ、水、ホップのみを使うものをビールとしました。

一方同時期のイングランドでは当時治めていたヘンリー8世が

”飲み物を台無しにし、人々を危険に晒す邪悪な雑草である”と議会に訴えられてしまいました。

なのでもっと後の17世紀までは醸造が控えられていました。横暴である

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ビール純粋令が発令されるまではアニス、ミント、シナモン、クローブ、ホップを原料としたグルードという香味剤が主原料でした。

なのでホップのみで香り付けしたものを「ビール」、それ以外の植物で香り付けしたものを「エール」と分けています。

余談ですが日本には明治初期に渡来し、北海道で栽培が始まりました。

当時のビールは
どのような扱いだったか?

結論から言うと中世の時代では「ビールは液体のパン」、「パンはキリストの肉」といわれていました。

なのでキリスト教の修道院で盛んに醸造されるように。

そのため厳しい断食のときは「命の水」、「活力の源」として栄養補給に使ったと言われています。アル中待ったなし

あとがき

今回の記事はいかがだったでしょうか?

ホップの薬効、ビールとホップの関係について理解を深めていただけたのなら幸いです。

それでは今回はここまでとなります。

また次回の記事でお会いしましょう。

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